アニメ「氷菓」が懐かしい。古典部シリーズと小市民シリーズの続編について

先日、YouTubeでぼけ~っとアニメ系の動画を見ていたら、その他の動画の欄にアニメ「氷菓」の主題歌「優しさの理由」が出てきました。

これです。

【TVアニメ「氷菓」ノンクレジットOP❶】Choucho「優しさの理由」

 
いやあ、懐かしいなあ。
このアニメもこの歌も好きでした。

でも、これ、もう10年ぐらい前のアニメなのに、なんで候補に出てきたんだろう、と思ってよく見たら、
  ↓  ↓  ↓
あ、そうか10周年記念フィルムコンサート開催記念の動画として新しく配信されたのか、と思ったのですが、
  ↓  ↓  ↓
あれ? これ、9ヶ月前に配信されてるしフィルムコンサートもとっくに終わってる・・・

ということで、頭の上にクエスチョンマークを乗っけて首をかしげていたのですが、原作者の米澤穂信さんのTwitterに、こんなツイートが。

なるほど。アニサマ2023で「優しさの理由」が歌われたんですね。納得です。というか、良くこんなツイート見つけたな私。自分ながらあっぱれじゃ。

ということで(?)
今回はミステリ作家・米澤穂信さんの「古典部シリーズ」「小市民シリーズ」について書きたいと思います。

「氷菓」原作「古典部シリーズ」はまだ続いている

アニメ「氷菓」を観たあとに、とても気に入ったので、原作小説である米澤穂信さん古典部シリーズを当時の既刊は全部読みました。アニメは全部「氷菓」というタイトルでしたけど、アニメになった部分の原作は、

「氷菓」2001年10月刊行
「愚者のエンドロール」2002年7月刊行
「クドリャフカの順番」2005年6月刊行
「遠まわりする雛」2007年10月刊行

と、まったく違うタイトルで刊行されており、説明されないと同じシリーズだということがわかりません。

このシリーズはこれで終わりではなく、アニメ化された部分以外に、

「ふたりの距離の概算」2010年6月刊行
「いまさら翼といわれても」2016年11月刊行

が刊行されており、その他に単行本未収録の作品もありますし、まだシリーズとして完結しておりません。

これがですねー。面白いんですよ。アニメはアニメでよいのですが、小説は小説で面白い。全部面白いです。高校を舞台とした青春モノ、という体裁になっておりますが、米澤穂信さんはミステリ作家であり、ちゃんとどれも推理モノになっています。探偵役は主人公の折木奉太郎です。

安っぽいミステリだと「超能力かよ」というぐらいヒントの無い中で正解を導いてしまうことがありますが、このシリーズはちゃんと各所にヒントが配置され、読者もちゃんと一緒に推理できるようになっております。

特に、「ふたりの距離の概算」は傑作で、テレビアニメが人気だったので、この部分は劇場版になるのでは、とずっと期待してたんですよ。(ならんかったけど)

ただ、米澤穂信さんの小説は全体的にそういう傾向があるのですが、物語がハッピーエンドとは限らないんですよね。古典部シリーズも同じで、青春のちょっとしたホロ苦い感じが残る作品になっています。「あー、スッキリしたー!」というストーリーを読みたい方にはオススメできません。

いやいや、
こうやっていろいろ思い返していると、続きが読みたくなりますねー。米澤さんもいろんな小説を書いているので、なかなか古典部まで手が回ってない感じですけど、この後に古典部シリーズの長編新作が出るという情報もどこかあったので、期待したいと思います。(ソースが思い出せないので、見つけたら追記しますね)

次の長編が出たら、もしかしてアニメ第2期もありかも、なんて夢を見たりしています。

小市民シリーズの続編(完結編)は2023年内に発売予定

古典部シリーズと同じように高校を舞台としたミステリシリーズに「小市民シリーズ」というのがあります。これも面白いので、ちょっと紹介しておきます。

主人公は高校生・小鳩常悟朗で、この人が基本的に探偵役です。過去のトラウマから人畜無害な小市民であろうと心がけるものの、推理好きなので、目の前の事件に思わず首を突っ込んでしまいます。もうひとりヒロイン役が、同じ高校の小佐内ゆき。2人は恋人同士ではないのですが、同じく小市民を目指している同士として、行動を共にすることが多い関係。

古典部シリーズ同様、日常のミステリがメインなのですが、放火事件とか監禁事件とか、古典部よりは過激な事件が多いです。しかもヒロインの小佐内さんのキャラが過激なので、そこに驚くことも多いです。

既刊は以下のとおり。

・「春期限定いちごタルト事件」2004年12月刊行
・「夏期限定トロピカルパフェ事件」2006年4月刊行
・「秋期限定栗きんとん事件(上)」2009年2月刊行
・「秋期限定栗きんとん事件(下)」2009年3月刊行
・「巴里マカロンの謎」2020年1月刊行

どれもスイーツがテーマになっています。
春期限定 → 夏期限定 → 秋期限定 と来たので、次は「冬期限定」だと思っていたら、そのあとまったく刊行されず。もうあきらめた頃に、まったく予想外の短編集「巴里マカロンの謎」が出ました(笑)。こちらはまだ未読です。

で、情報によれば、今年(2023年)中に、完結編である「冬期限定~」が出るとの情報がありましたので、楽しみに待ちたいと思います。昔、米澤さんのインタビュー記事かなにかで、次は「冬期限定生チョコレート事件」だというのを見たのですが、実際はどんなタイトルで発売になるか楽しみです。

ただ、このシリーズ、古典部シリーズの折木奉太郎や千反田えるのように、キャラに感情移入するのが難しいです。小鳩常悟朗はなんとなくキャラが掴みにくいですし、小佐内ゆきは過激すぎてちょっと引いてしまいます(笑)

でも、物語は面白いですし、特に「秋期限定栗きんとん事件」は傑作ですので、良かったら読んでみてください。

 
私も既刊を読み返しながら新刊を待ちたいと思います♪

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