「その証として、伏礼を廃す。
これをもって初勅とする!」
小野不由美さんのファンタジー小説「十二国記」シリーズ、「風の万里 黎明の空」のラストシーンで、慶国の王・陽子が官たちに向って宣言したセリフです。
いやあ、しびれますね。
私が大好きなシーンです。
これまでこの世界のことがわからないため、王でありながら部下の顔色をうかがいながらオドオドと仕事をしていた陽子が、和州の乱に巻き込まれたことがキッカケで、自信と信念を見つけます。これが陽子が本当の王になった瞬間のシーンなんですね。
私はこの十二国記シリーズが好きで、もう何回も読んだのですが、最近続編が出たので、それを買う前におさらいとして読み返していました。
異世界ものの物語なのですが、近年流行りの「なろう系」などとは一線を画するものであり、深く作り込まれた世界観、張り巡らされた伏線、唸らされる展開、感動的なセリフ、どれをとっても一流の物語です。
冒頭の陽子の画像は2002年にアニメ化された際のものですが、実はこのアニメ、あまり評判がよくないです。
まず、絵がものすごく雑だったんです。毎回キャラの顔が変わってて「誰だお前」って感じになりました。小説の挿絵の陽子はめっちゃ美人なのですが、アニメは回によってはひどい顔になってたりで、かなり残念な感じです。
あと、もっと許せないのは、ストーリーがねじ曲がるような改変をやってしまったことです。せっかくの素晴らしいストーリーが台無しになってしまっています。これは致命的ですねー
なので、私はまた新たにアニメ化してくれないかなと思ってます。最新のアニメ技術で描かれた十二国記、観てみたいです。