2023年2月17日に予定されていた打ち上げがリフトオフ直前で中止になり、続報が待たれていたJAXAの新型ロケット「H3」試験機1号機についてですが、
日本時間2023年3月7日10時37分55秒~10時44分15秒
に設定されたと発表がありました。
3月3日に一度「3月6日打ち上げ」という情報があったのですが、天候の関係で再設定されたようです。今後についても天候によっては変更の可能性があるよう。
先日もお伝えしたとおり、2月17日の中止に際はマスコミと一悶着あって悶々としたり、さらにはVTuber・宇推くりあさんの素晴い解説に感激したりしたのですが、
今度はちゃんと飛んでくれるといいですね!
平日の午前中なので、残念ながら私はお仕事中ですねー。今回は宇推くりあさんの実況をリアルタイムで観たいなーと思っていたのですが無理っぽいです。まあ、おうちに帰ってからゆっくりと観ることにしましょう。
さて、
前回の記事で私は、このH3ロケットについて、「日本の宇宙開発の未来を背負っていると言っても過言ではない」と書いたのですが、ここでH3ロケット1号機について少し説明しておきますね!
H3ロケットの概要
気象衛星「ひまわり」、準天頂衛星システム「みちびき」など、地球の空にはたくさんの人工衛星が飛んでいます。人工衛星が地球の引力で墜ちてこないのは、地球を周回することで遠心力を生み出し、地球の引力とバランスをとっているためです。そのバランスがとれた地球の周回コースを「軌道」と呼ぶのですが、その軌道に人工衛星を乗せるためには、そこまで運ぶためのロケットが必要です。
21世紀に入ってから、日本の人工衛星を軌道に乗せる役割は、JAXAの「H-IIA/Bロケット」が担ってきました。2001年に試験機1号機を打ち上げてから現在まで、H-IIA、H-IIB合わせて55回の打ち上げが行われ、そのうち、54回成功しています。それだけの数の人工衛星を、宇宙に送り出しているのです。
そんな現代社会に多大なる貢献をしているH-IIA/Bロケットですが、欠点が無いわけではありません。先代の「H-IIロケット」と比較して安価になったとは言え、1回の打ち上げ費用が80億~120億円もかかります。また、ロケットを種子島のロケット発射場に運んでからの組み立て・点検作業の期間が1ヶ月もかかるという欠点もありました。そのため、年間の打ち上げ回数に制約があったんですね。
そこで、新しく開発され、試験機を打ち上げるH3ロケットの登場です。H-IIA/BがH-IIの改良型であったのに比べて、H3は設計思想を見直し、一から設計を行っています。「H-II」の次なのに、なんで「H-III」じゃないんだろう、と思ったのですが、「H-II」と「H-III」の見た目が似ていて紛らわしいから、だそうです(笑)
H3ロケットでは、1回の打ち上げ費用が約50億円とH-IIAの約半額、ロケット発射場に運んでからの整備期間も約半分になるということで、安価になり、かつ打ち上げ頻度を上げることが可能になります。
海外の人工衛星の打ち上げを請け負うこともあるので、「安価に打ち上げられる」「年に何回も打ち上げがある」というのは、ビジネス的にもメリットが多いようです。
今回の試験機が成功し、これを量産することができれば、日本の宇宙開発は新時代に突入することになります。そういう視点で明後日の打ち上げ中継を見ると、また別の楽しさがありますよね。
残念ながらリアルタイムでは観られませんが、心の中では応援しています!