夕闇に真っ白なサギ。トーンカーブで補正して非現実的な写真にしてみよう

「夕闇に真っ白なサギ」

先日夕暮れに撮ったお気に入りの写真です。
夕方お散歩していて、橋の上から偶然サギを見つけたので、慌てて撮りました。望遠が無かったで、サギをアップで撮ることはできませんでしたが、シャッターを切るときには気がつかなかった2羽目のサギ(写真の左上の端)が写っていましたし、なんとなく不思議な写真になりました。

背景が真っ暗なのに、サギだけ真っ白ですよね?

実はこの非現実的な絵は、「撮って出し」のものではなく、少しレタッチして明暗を強調しています。今回は、写真のトーンカーブを補正して、シュールな(非現実的な)写真に仕上げる方法を紹介したいと思います。

写真というものは、「撮影者が見せたいものをどう表現するか」というのが大事です。逆に言うと、「それ以外のものは目立たない方が良い」ことになります。もちろん例外はありますけど。

例えば、一輪のキレイな花を撮ったとします。あなたが「その花の美しさを見せたい」と思ってシャッターを切ったなら、「その花以外のものは目立たない方が良い」です。先日、紅葉の写真の記事でもお話しましたが、背景をシンプルになるような角度で撮る、とか、主題となる花以外のものはボケるように撮る、などが一般的な手法です。

さて、最初に紹介したサギの写真ですが、実際に撮影したときは、こんな写真でした。

シャッターを切ったときは「良い写真が撮れたかも☆」と思ったのですが、おうちに帰ってパソコンで見てガッカリしました。川はなんとなく雑然としているし、サギも小さくて目立たないですよね。言われないとサギが居ることに気がつかないかも。要するに、

「何が撮りたかったのか解らない写真」

になってしまっているのです。

そこで少し加工することにしました。
まずは基本にのっとって、雑然とした背景を何とかしましょう。撮る前なら「ボカす」とかあるのですが、撮ったあとなので、ここは「暗くしてしまう」という方法を使います。レタッチアプリの明るさ補正で、写真全体を暗くしてみましょう。

むぅ。
川の雑然とした感じは無くなりましたが、これでは肝心のサギまで暗くなってしまいました。相変わらず「何が撮りたかったのか解らない写真」のままです。加工の失敗ですね。

そこで、「背景は暗く、サギは明るく」することにしました。そんなことできるの?と思うかもしれませんが、条件がそろえばできるのです。「トーンカーブ補正」というのを使います。

トーンカーブ補正が使えるレタッチアプリは色々ありますが、私はパソコンなら「GIMP」というフリーソフトを、スマホなら「Snapseed」というアプリを使っています。

これがトーンカーブです。横軸が原版の写真の明るさ、縦軸が変更後の明るさです。そして、白い線を動かして、明るさの調整をします。

左側は写真の中の暗いピクセルですが、白い線を下の方にずらして、より暗くするように設定しています。
右側は写真の中の明るいピクセルですが、白い線を上の方にずらして、より明るくするように設定しています。

するとどうなるか?

はい。一番上で紹介した写真はこうやって作りました。
非現実的な写真になったことについては、賛否両論あると思いますが、少なくとも、私が見せたいものがしっかりと表現できたと思います。写真というものは、そこが一番大事だと思います。

このトーンカーブ補正は、覚えるといろんな表現ができるようになりますので、試しにやってみてください!
 

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