今回は天体のお話。
みなさん、月の裏側を見たことがありますか?
最近ではいろんな探査機が写真を撮っているので、資料としては見る機会があると思います。
でも、私たちは地球に居る以上、肉眼ではお月さんの表側しか見ることができません。
なぜなら、月は自転と公転が完全に同期しており、常に同じ面を地球に向けているからです。
これは偶然でも何でもなく、地球との潮汐作用によって、向きが固定されてしまった結果です。これを「潮汐ロック」と呼ばれています。月の重心は球体の中心にあるわけではなく、ちょっとだけズレているせいで、地球の引力で引っ張られたとき、重心がある方の面を地球に向けてしまうんですね。
もしかしたら月ができたばかりのときは普通に回転していたのかもしれませんが、重心がズレていると、長い年月をかけて向きが固定されてしまいます。起き上がりこぼしと同じ原理ですね。
さて、そんなワケで私たちは肉眼で地球の裏側を見ることができません。月の表側もいろんな模様があって美しいですが、裏側がどんな感じなのか見てみたいですよね。
そこで、今回紹介する動画です。
なんと、「地球から見た月がゆっくりとスムーズに自転する」という、現実にはあり得ない映像です。
これです。
すごいですよね。異世界感がハンパないです。
月と言われれば月なのですが、私たちが知ってる月とは明らかに違う異質なものです。
この動画は、NASAの月周回衛星「ルナー・リコネサンス・オービター」が撮影し、地球に送ってきた11万枚もの画像をもとに作成された動画だそうです。ベースが動画じゃなくて写真だというのが信じられません。最初から動画だったみたいにスムーズに動いています。
スタート時点(0:00)での状態がいつも私たちが見ている月の姿ですね。そこからゆっくり回転し、24秒で一周しています。
時間を4等分してスクリーンショットを撮りました。
厳密に時間を計ったわけではないため多少のズレはあると思いますが、だいたいは合っていると思います。真ん中の12秒目の画像が、「月の真裏」の写真になります。
月の模様は昔からウサギだとかカニだとかワニなどど言われていますが、この裏側が見えていたとしたら、どんなふうに言われていたんでしょうね?
この動画は、Youtubeの「APOD Videos」というチャンネルで投稿されたモノですが、このチャンネルでは様々な宇宙に関する動画を扱っており、レアな動画もたくさんあるので、天体好きの方は是非訪れてみてください。NASAとミシガン工科大学が共同で運営しているチャンネルのようです。
宇宙って本当に面白いですね!
【参考サイト】